山行名 白馬岳追悼登山
入山山域 北アルプス白馬岳
山行日 1983年4月30日〜5月4日
メンバー

行動記録
 故岸川、秋芳、前田三君の追悼および残置装備回収のための偵察目的で我々は白馬へ向かった。
服巻辰則3 馬場和也OB 松元和幸OB 早川政広OB
 5月、乗鞍岳はハイマツのあの夏の香りに満ちていた。いやおうなしに時の流れを感じさせる。5月1日に4名全員が白馬大池に揃い、5月2日午前11時30分、そこに辿りついた。そこはなだらかな真っ白な雪の斜面となり、すべては覆い隠されていた。悲しい出来事のひとかけらの後さえなく、聖地のごとくそこは静かで清らかだった。手を合わせる。様々な思いが渦巻き、それらはやり場のないあてどない悲しみへと変わり身体を包み込む。歩きまわる。間近に見える山々は憎ったらしいくらいに平然とし、5月の太陽の下、美しく輝いている。我々にとってこれ以上美しい景色はなかったはずなのに…。雪面を掘り下げる。雪、雪、雪。何も出てこない。事実だけが重たく覆い被さる。もう二度とこのようなことはあってはならない。
 次の日、白馬岳へ向かう。無風、快晴。彼らのプレゼントのような気がする。山頂は数多くの人で賑わっていた。遠望できる残雪の峰々は相変わらず純粋で美しい剣が五竜が…。一つ一つのピークそして稜線が思い出とつながっていく。今はその一つ一つが辛く悲しい。帰りに再び立ち寄る。手を合わせ歩きまわり佇む。祈ることしかできない自分が悔しく恨めしい。胸がしめつけられる。縦走路からはずれたそこはあまりに静か過ぎる。再び訪れることを約束し、帰路につく。
 5月4日、三君の御霊のやすらかならんことを祈りつつ白馬大池を後にする。5月、大糸線から望む峰々はまだ雪の山だった。合掌。


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