山行名

南アルプス縦走

入山山域 南アルプス
山行日 1988年8月4日(木)〜8月19日(金)
メンバー L小澤剛 西村裕明 武道博

行動記録

1988年8月4日(木) 富山駅発(13:13)―金谷着(23:35)―就寝(23:50)
定着が無事終わり、1年は少々疲れ気味。今日は金谷駅でStationビバークする。例外なく蚊に悩まされる。

8月5日(金)快晴 金谷発(3:35)―畑薙(第一ダム)(7:25)―畑薙大吊橋を渡ったところ(8:48)―ヤレヤレ峠(9:30)―ウソッコ沢小屋 幕営(10:43)
 18時間におよぶ移動が終わりやっと歩き始める。畑薙大吊橋は、板が腐って高かったので、意外と怖かった。なかなかよいペースだ。ウソッコ沢小屋は、よい小屋だ。南へ来た実感がわく。フルーツ缶で乾杯して士気を高める。

8月6日(土)晴れ 起床(3:00)―出発(4:48)―横窪沢小屋(6:30)―茶臼小屋(9:25) 
 夏6天であるが、出発が2時間切れた、早いぞ。横窪沢小屋は、きれいな小川があり、顔を洗って出発する。茶臼小屋にもう着いてしまった。こんなに早くていいんかなあ。1200m登ったにもかかわらず、一定のペースで行けた。楽勝。幕営。

8月7日(日)曇時々雨 起床(4:00)―茶臼岳(5:32)―易老岳(6:55)―光岳小屋(8:40)―イザルガ岳(9:41)―仁田岳(12:40)―テント場(14:45)
素晴らしい朝食のため時間がかかった。初めて富士山が見えるはずだったが残念ながら曇って見えない。光岳小屋は素晴らしいと激賞のおじさんに会う。甲斐駒への縦走が始まった。期待よりも不安が先立ってしまう。一年生は顔が引きつっていた。イザルガ岳は見事に何もないところ。仁田岳は、晴れれば絶対気持ちのよいところ。雷が聞こえ出したので慌てて帰ることにする。少々疲れた様子だったが、かえって熟睡できたそうだ。明日は復活するだろう。

8月8日(月)晴れのち雨 起床(4:30)―出発(6:33)―上河内岳(8:20)―聖平小屋(10:55)
 初めて富士山が見えた。真東の方向。やっぱり賢い。上河内岳には、わざわざ頂上まで荷物を持ってあがってしまった。5分の登りが異様にきつく感じてしまった。聖平小屋に幕営。明日に備えて本日半沈。小澤が鼻血を出す。

8月9日(火)快晴のち曇 起床(3:00)―出発(4:40)―聖岳(7:40)―兎岳(11:10)―大沢岳(14:25)―百間洞露営地(15:25)
 奥聖にピストン(50分)。今から思うと3000mの展望で晴れたのはここのみ。素晴らしい展望。西村バテ気味。大変静かである。百間洞露営地に幕営。きつかった。無口な武道がさらに無口になった。何もしゃべらない。

8月10日(水)一日中雨 起床(3:40)―出発(5:40)―避難小屋(8:55)―赤石岳(10:28)―大聖平(12:10)―荒川小屋(12:40)
3時起床のはずが西村寝坊。西村、武道とも昨日の疲れが残っている。それに寒い。出発することに決定。一年生の目まで冷たい。おおさむ。赤石岳避難小屋は、素晴らしい避難小屋で感動する。ツェルト、スベアを出してあったまる。レモネードを飲む。レーションを食う。そうしていると1年生に元気が出てくる。というわけで荒川小屋まで行くことにする。赤石岳山頂は、風雨が強い。写真だけ撮る。大聖平は、誰もいない。だだっ広く寂しいところ。荒川小屋にて幕営。隣のテントは女の子のパーティだ。白々しく差し入れをしたが、報いは何もなかった。なんだい!

8月11日(木)雨のち曇 起床(4:00)
 沈澱。午後少し晴れたので小澤一人で軽く偵察する。

8月12日(金)雨 起床(3:00)―出発(5:07)―中岳小屋(6:45)―悪沢岳(7:30)―千枚小屋(8:45)―清水平(11:00)―千枚小屋(13:20)―悪沢岳(15:00)―中岳小屋(15:50)―高山裏小屋(18:35)
 出発が遅れた。疲れが残っているようだ。中岳小屋は、春でも避難小屋として使えそうだ。非常に寒い。一年生はすでにバテ気味。千枚小屋の管理人さんに重要な話をいろいろ聞く。偵察の要点を教えてくれた。清水平で林道に出る。再び千枚小屋にて、おばあさんたちも優しくストーブにあたらせてくれたが、みんな疲労が激しい。高山裏小屋に幕営。みんなバテバテ。とりあえず飯を食い寝ることにした。

8月13日(土)快晴のちガス 起床(5:00)―出発(7:28)―小河内岳(11:40)―烏帽子岳(13:28)―三伏峠(14:30)
 高山裏小屋は住み心地が悪いので三伏峠までがんばることにする。小澤、風邪でバテ気味。三伏峠幕営。何で水場が遠いんだ。高山裏も遠いが、そんなの比じゃない。とにかく明日がんばろう。

8月14日(日)晴れ時々曇り 起床(3:00)―出発(5:06)―塩見小屋(8:35)―塩見岳(9:39)―熊の平(15:35)
 雲が多い。今日1日もってくれ。水汲みで出発遅れる。塩見小屋の缶ビールの文字が目に痛い。塩見岳山頂は、残念ながらガス。熊ノ平幕営。なかなかテン場が見つからないが、小屋のお兄さんが探してくれた。残り物には福があるとはこのことだと思うくらいいい場所だ。

8月15日(月)雨 起床(6:00)
 本日沈澱を決定。明日は1日で白峰三山をやることに決定。

8月16日(火)雨(台風)起床(3:00)―出発(5:06)―三峰岳(6:06)―間ノ岳(6:39)―北岳(8:25)―農鳥小屋(11:20)―西農鳥岳(11:58)―農鳥岳(12:25)―テント場(14:57)
 三峰岳は、風雨が強いため早々に立ち去る。
農鳥小屋のオッサンが陰険でムッときた。みんなフラフラになっている。トラバースが異様に長かった。もう嫌だ。

8月17日(水)曇 起床(3:00)―出発(4:53)―三峰岳(6:33)―野呂川越(9:13)―両俣(10:00)
 やはり天気が悪い。2999mの三峰岳頂上で写真を撮る。結構長い下りであった。両俣にて明日に備えて半沈。

8月18日(木)晴れ時々曇 起床(3:00)―野呂川越(9:13)―仙丈岳(11:40)―北沢峠(14:30)―テント場(15:20)    
 1000bの登りだが、昨日の半沈が効いたのだろう。元気そうだ。またガスだ。前半は天気に恵まれていると思ったが、こりゃ駄目だ。
ここでおじさんに\700円の弁当、ミックスゼリー、パルキーソーセージをもらう。Lucky。いきなり北沢峠まで下ることに決定。また一年生の冷たい視線を感じた。北沢峠で家に一度電話させる。北沢峠から東へ3~400m下ったところで終了前祝いをする。予備食などを食ってしまう。

8月19日(金) 起床(3:30)―出発(5:03)―双児山(6:44)―甲斐駒ケ岳(摩利支天経由)(8:50)―北沢峠(11:00)―テント場(11:10)―バス発(13:00)
朝食は、お茶漬け、味噌汁、チャーハン、スープ、ラーメン、レモネード(ハチミツたっぷり)を食った。出発してしばらくしてからカメラを忘れたことに気づく。取りに帰る。20分のロス。今日も天気が悪い。ア〜ア
甲斐駒ケ岳にとうとうついた。だけど今年も天気には恵まれなかったようだ。北沢峠では完全な下山病。かなり重症。伊那市で打ち上げをする。(小澤)

感想 西村裕明
 まず、最初の印象は「キツカッタ」だ。それと「タノシカッタ」が1/3、今までこんなにきついことがあっただろうかという感想が2/3で、今までこんなに人間としてタノシカッタことがあっただろうかという感想が1/3だ。静岡、長野、山梨、三県にわたる南アルプス大縦走は懐が深く、それを一気にピークを総ナメにしてしまうのはいかにもすごいことのようで不安が多かった。赤石、荒川、仙丈とただもう次のテント場につくことだけを望みに歩いた。すべてが自分との戦いの中だった。勝った日と負けた日では見える景色も全然違っていた。
 長い合宿を終えて多少なりの自信と、それゆえの不安が残った。これから先、それはそれで大切にしていきたい。

武道博
 今回の縦走は、光岳から甲斐駒ケ岳までの南アルプス全山縦走である。自分は1年の時からとんでもないことをやろうとしているような気がした。やはり縦走は体力が問題であり、このすごい計画をこなしていく体力が自分にはあるのかどうか心配だった。しかし、定着のときに体力がついていたのだろうか、確かに2,3度はかなりきつい目にはあったが、全体としては自分が考えていたよりはらくだったような気がする。
 縦走は定着とは違って毎日荷物をからって歩かなければならないという苦しさはあるが景色は日に日に移っていき、深山である南アルプスの素晴らしさを十分に楽しめた。今回の縦走はかなり満足できるものでした。


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