山行名 屋久島安房川北沢右俣
入山山域 屋久島安房川北沢右俣
山行日 1996年10月8日(火)〜10月12日(土)
メンバー CL井上龍一郎3 SL西村正也2 貝原洋平1 矢内英之1

行動記録

1996年10月8日(火)雨 鹿児島港発(8:45)―宮之浦(12:30)―楠川(13:10)―三本杉(15:00)―白谷山荘(16:10)
 朝からあいにくの雨で気合が入らない。出発前から思いっきりダラダラする。スーパーで食料を買出し、市電で北埠頭まで行く。出発5分前ギリギリでフェリーに乗り込む。楠川までバスで行き、楠川の林道をひたすら歩く。一汗かいたところで登山道に入る。誰にも会わないと思ったが、3パーティとすれ違う。意外に早く三本杉に着き、そこから白谷山荘まではきついところはなかった。白谷山荘は空いていて、我々の他は一人しかいなかった。前線が停滞しているらしく、明日の天気もよくないようなので沈澱ムードになる。

10月9日(水)雨のち曇 沈澱
 雨のため沈澱にする。頑張れば行けないわけでもないが、雨のなか沢登りをしても面白くないので行動しない。寝たり本を読んだりしてひたすらダラダラする。明日から天気がよくなりそうなので起床を4時に設定する。

10月10日(木)晴れのち曇 起床(4:00)―出発(5:15)―辻峠(5:45)―トロッコ道(6:50)―入渓点(7:50)―ビバーク地着(14:20)
 暗い中、ヘッドランプをつけて出発する。暗くて木の根や石に躓きそうでとてもおっかなかった。辻峠で夜が明け、トロッコ道まで快調に下る。天気もよく、とても気持ちがよい。トロッコ道も嫌になったところで終点になる。右に大株歩道が分かれ、されに藪の茂ったトロッコ道を行けるところまで行くと北沢の二俣に出る。ここが入渓点である。原田氏の話の通り、焚き火の薪には困らないキャンプができそうなところである。準備をして遡行を始める。しばらくは単調なゴーロが続く。沢には、ワイヤーが掛かった岩が点在している。突然、目の前にゴルジュと滝が2つ掛かっていて、ここから左岸を高巻く。ブッシュを手がかりに高度を上げ、緩いスラブを斜め上にトラバースする。かなり高度感があって嫌だった。樹林帯をできるだけ水平に藪こぎするが、藪にイバラが混じっていて手を傷だらけにしながらのきつい藪こぎであった。2時間くらい藪に悪戦苦闘して、支沢を下ってやっとの思いで沢に降り立つ。ここでゴルジュも終わりで5bくらいの滝の前で休憩する。貝原は、まだ元気があるようで滝の淵で泳ごうとしていた。右岸の岩棚の木に赤いテープが巻いてあったが、あれは原田さんたちが以前遡行したときに巻いたものらしい。ゴルジュが終わると滝が連続する。20〜30b級の立派な滝が連続している。うまく巻けば、意外と楽に落ち口に達する。途中、西村と井上がへつりに失敗して滑って釜に落ち、泳ぐ。10月の沢の水はとっても冷たかった。昼過ぎには、かなり上まで進んでいたが、沢でビバークすると決めていたので、今日は早めに切り上げる。左岸にふかふかの草地を見つけ、そこでビバークする。焚き火をして、飯を食って紅茶を飲んで星空を見ながら寝る。夜中、突然雨が降り出す。急いでツェルトを張る。ツェルトの張り方がまずく、一部に水が溜まる。ちょっと不快な夜であった。

10月11日(金)曇のち晴れ 起床(6:00)―出発(7:40)―遡行終了(11:40)―下山開始(12:30)―新高塚小屋(14:10)
 昨夜の雨も朝にはあがった。しかし、ガスっていて天気は悪い。ツェルトの中で朝食をとって、出発する。出発して、すぐ左から支流が入り、本流には二段のでかい滝が待ち構えていた。この滝は、右岸をヤクザサを分けながら巻く。昨夜の雨で笹が濡れていて、びしょ濡れになった。かなり寒い。滝上も小さなゴルジュのようになっていて、右岸のバンドをトラバースした。ここで念の為フィックスロープを張った。ここから、天気が回復する。沢に降り、滝を左岸から巻くと右から支沢が入り、沢は左に曲がっている。ここから源流帯になる。水量も少なくなり、滝も小さくなる。順調に距離を稼ぎ森林限界に達する。前方には、宮之浦岳が見える。いつもと違う角度から見ると、きれいな双耳峰になって見えた。水量も極端に少なくなって、右から焼野からの支沢が入っていて、本流が左に直角に折れているところで沢を出る。左岸のコケのじゅくじゅくした斜面を登り、ヤクササの藪を右へ右へ分けていくと登山道が見え、登山道を目指し進んでいくとあっさり登山道に出た。宮之浦川を遡行したときに出たところと全く同じ場所だった。元気のある一年生は、宮之浦岳を登り、元気のない上級生は、下で世間話をしていた。14時すぎには、新高塚小屋に着き、寝る場所を確保する。

10月12日(土)曇 起床(5:50)―出発(7:40)―高塚小屋(8:20)―縄文杉(8:30)―高塚小屋発(9:00)―太古杉(9:15)―林道(17号支線)(10:40)―宮之浦(17:00)
 登山者が出ていった後のろのろ起きてきて一番遅く出発する。高塚小屋まで行き、縄文杉を見に行く。縄文杉の前には立派すぎる展望台ができて、完全に観光地化してしまっていた。少し興ざめしてすぐ下山する。下山路は、林道17号支線のほうへ下る作業用の道を利用した。途中にある太古杉は、縄文杉とは対照的にひっそりと周りの森に溶け込んでいる感じでよかった。尾根を越すとビワンクボの伐採地に出る。皆殺しのひどい伐採に屋久島の表と裏の姿を見た感じがした。高塚小屋から林道までは1時間半である。林道は、先の台風6号の被害でズタズタになっていた。長い長い林道歩きの末、やっとの思いで宮之浦の町に出た。バス代をケチったのは失敗だと思った。この山行で林道歩きが一番きつかった。(西村)


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