山行名 大雪山縦走
入山山域 入山山域 北海道大雪山
     トムラウシ山〜黒岳
山行日 1999年8月24日(火)〜8月26日(木)
メンバー 西村正也5 (単独行)

行動記録

1999年8月24日(火)曇のち雨 起床(5:40)―出発(6:30)―滝見台(7:20)―化雲岳(13:20)―ヒサゴ沼避難小屋(14:10)
 ヒッチハイクでうまく天人峡温泉に辿りつく。バス停で寝て出発する。滝見台までの急登で夫婦連れに話し掛け、鹿児島から来たと言ったらすごいといって大福などをもらった。今日は小雨が降ってきたり薄日が差したりよくわからない天気。羽衣の滝は立山の称名滝を思い起こさせる豪快な滝だった。化雲岳まではなだらかな登りが延々続く。途中のウサギギクのお花畑や今だ豊富な雪渓が素晴らしかった。雨が降り出したころヒサゴ沼避難小屋に到着した。小屋にはクワンナイ川を遡行したパーティが二組いた。一組はこの人、滝登れんの?というような中年太りのおっちゃんとひ弱そうな息子だった。多分相当簡単な沢だろうと思って、詳細は聞かなかった。
8月25日(水)晴れのち雨 起床(5:10)―出発(5:50)―トムラウシ山山頂(8:10)―トムラウシ山発(8:50)―ヒサゴ沼着(10:40)―ヒサゴ沼発(11:30)―五色岳(13:00)―忠別避難小屋(14:10)
 前述のおっちゃんのいびきはすさまじく寝れたものではない。いきなり雪渓を登る。予期せぬ大きな雪渓に感激した。雪渓登りは得意なのでどんどん追いぬいて行く。トムラウシまではやはりひたすらなだらかな斜面を登っていく。トムラウシ山の頂上では幸運にも遠くにヒグマの親子を見れた。あんなに大きくてかなり俊敏な動きに驚いた。神奈川大ワンゲルの人たちとしばし熊を見たあと一気にヒサゴ沼に戻った。荷物をまとめて忠別に向けて出発したら、おじさんに食料が余っているといってたくさんもらった。雨が降って熊と遭遇したくなかったので、歌を歌いながら突き進む。五色岳でおばさん二人におにぎりを頂いた。忠別小屋は誰もいないかと思っていたが、8名の宿泊者。みんな適当に山に狂った人たちで面白かった。一人は1ヶ月、ヒグマの写真を追い求めている人。中年3人組のリーダーは、67歳のベテラン山屋。10年前までは長崎にいたらしい。九州の山の話に花が咲く。そしてコッフェルに並々とウイスキーを注いでもらった。北海道と九州の山、そして北アルプスで登ってない山はないと豪語する、その話っぷりと経験の豊かさは三穂野さんを思い出す。日高山脈が素晴らしいと聞いて、今度は行きたいと思う。
8月26日(木)雨のち曇 起床(4:20)―出発(5:20)―忠別岳山頂(6:30)―白雲岳避難小屋(9:40)―北海岳(10:55)―黒岳石室(11:20)―黒岳山頂(12:05)―黒岳七合目リフト(13:20)―層雲峡(14:10)
 雨、冷たい雨。夏山の初めも終わりも雨だった。さあ、最後だ。気合が入る。ガスって何も見えず、不安だ。でも進路はコンパスの北を指す方角に進めばいいし、熊はカラビナとボルトのハンガーで作った鈴がある。白雲の分岐までは誰にも人に会わなかった。黒岳石室から人がいっぱいで少し安心した。黒岳から下る途中に人馴れしたエゾシマリスがいた。休憩の間中、餌をせがんで走り回り、私のザックの上にも乗ってきた。かわいいが、野生を忘れかけた動物に興味はない。無視してどんどん下る。25km以上歩いてきたので、もう嫌になって1900円を惜しまず払ってロープウェーに乗る。温泉にゆったりつかったら、疲れがどっと出て休憩室で1時間ほど眠ってしまった。

感想 西村正也 農学部4年
 北アルプスの山にも少し飽きてしまった。今年の夏山定着縦走では昔のような感動がなく、少し物足りなさが残った。昨年9月に屋久島に行ったとき、出会ったおじさんが北海道の山は絶対いいよと言っていた。今年、青森まで北上したとき迷わず津軽海峡を渡るフェリーに乗り込んでいた。無謀にもヒッチハイクだけで登山口に辿りついた。
 初めて登る北海道の山には私の未知の世界が広がっていた。また単独行ということ、ヒグマ、エキノコックスなど不安なこともたくさんあった。ヒグマはかなり幸運でないと会わないらしいし、エキノコックスもそうかかる病気ではないらしい。北海道の岳人たちがそう行っていた。人はとても少なくて、皆山に狂った人たちばかりだ。東京や大阪から来るには飛行機でもかなりの時間と費用を要する。柔な気持ちでは入れない山なのだ。憧れの北海道の山の感想は、とにかく広い。ダラダラとなだらかな丘が続く感じだったが、一日に歩く距離が25kmとか平気であって、かなり驚いた。広大な雪渓、咲き乱れる高山植物、ヒグマ、リス、ナキウサギなど九州では絶対見られない野生動物と会えたことなどすべてが新鮮で素晴らしかった。再び北海道の山へ行こうと思う。
反省
 まず反省として山行が無計画過ぎた。行こうと決めたのが、青森で、交通手段はすべてヒッチハイク。食料計画などなく、残ったラーメンとヒッチハイクで乗せてくれた人や他の登山者からもらった食料だけだった。計画も行き当たりばったりで他の登山者が進めてくれたルートに変更するなど、まあ無謀にもほどがあった。
 次は熊除けの鈴くらいは買っていこうと思う。熊には会わないと言われていたが、遠くのほうでも見かけたので結構いるんだなあと思った。でも音には敏感らしく、我々の気配を感じたら一目散に逃げていたので、相当なことをしない限り襲われることはないということもわかった。
 クワンナイ川は簡単そうだけどぜひ次は行こうと思った。大雪山の概念だけでもわかってよかった。


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