山行名 1999年度春山合宿報告
入山山域 甲斐駒ケ岳黒戸尾根より北岳小太郎尾根、池山吊尾根
山行日 2000年3月6日〜3月19日
メンバー 参加部員 CL香川浩士
     SL矢内英之
       渡辺剛士

行動記録

3月6日 みんなに見送られ西駅より出発。ザックが重てえなぁ。購買部で切符を3日前
から予約しておくと2割引だって。フェリーで安眠。風呂がよかった。(渡辺) 

3月7日とにかく女子高生のスカートが短い。3人、最初は喜ぶも飽きる。大阪―名古屋
松本(買出し)―日野春―横手駒ケ岳神社と無難に行く。ICIでひともめ。やれやれ。

3月8日晴れ      
いよいよ黒戸尾根入山。甲斐駒目指しややビビリつつ出発。雪なし。「落ち葉ラッセル」とかほざいてたら即バテる。2,3ピッチ目位で氷が。渡辺、1回滑落。幸いストップした。危ない危ない。渡辺、再びチョンボ。つららを下品にしていたら、下痢った。雪、氷は絶対に食わないと誓う。一緒に食った香川さんはぴんぴんしていた。八丁坂の終わりあたりでテント。今日は俺のすきやきが減る。やった。
4:30起床 6:25発 10:30 1621mのコル 12:30C1(八丁坂終点)

3月9日雪 風強し
さしたる難所はないが、ザックがあー。こ、こんな筈では?初めての雪山にマジでビビる
。途中から天候が崩れ、強風と雪が俺の体力と気力を奪う。刃渡りはスパッと切れていた。
ザックさえなければこんなところ!梯子帯でも無意味に力んで体力を使う。七丈第二小屋
の横でテント。ところが!テント建ててさあ入るか、という所で、強風でテントが飛ばさ
れる。幸い谷ぞこの樹林に引っ掛かる。矢内さんが回収。なんとスコップがいっしょに
とばされた。人にあたらなくてよかった。しょうがないので小屋をつかわせてもらう。
キジうちしながらみた下界の明かりが恋しかった。
4:30起床 6:30発 7:20刃渡り 8:10トリ天狗 9:45五合目12:50C2(七丈第
二小屋)

3月10日快晴 風弱し
遂に本峰アタック!死んだ。積雪はたいした事ないが、急登がきつい。鼻水と、ヨダレと
涙が止まらない。どうにかこうにか頂上へ。カメラをむけられてもニコリともできない。予定では北沢峠まで下るはずだったが、渡辺が完全にバテて、時間も押していたので、双子山とピ―クの間のコルでテント。今日は色々思い知った。(渡辺)        
3:40起床 5:40発 8:20鳥居 12:50甲斐駒頂上 15:33駒津峰 17:00C3(双子山とピ−クのコル) 
     
3月11日曇り
ワカンでいく。雪の表面がクラストしていて、中がふかふかでかなり消耗する。ゴジラ落としもあり、樹林の中でもあるのでぺ―スはあがらない。ラッセルは膝ぐらいだった。北沢峠で単独行の人に会う。(矢内)
5:40起床 8:00発 9:00双子山 12:10北沢峠 12:30北沢長衛小屋C4

3月12日雪のち晴れ 沈殿
2:00起床したが沈殿。香川も入山日より風邪気味、
疲れも溜まっているので一日中寝る。午後より散歩がてら矢内は一人で林道トレ−スしにいく。雪訓していたがシュラフ干していたので天気の崩れ(一時的)により5分で終了。もっとしとけばよかった。

3月13日晴れのち雪
今日は林道ということで早く出発。沢筋や怪しい斜面は間隔をあけて進む。雪の状態は、斜面のは良くない。表面だけがクラストしていたり雪が少なくなったり、いろいろな雪質であったりラッセルは疲れる。ラッセルはなかったり腿まであったり色々。小太郎尾根取り付き上部の林道には小屋がある。下って野呂川に降り立つ。貧弱なのか頭がいいのか分からんが、倒木で橋を作って渉った。川幅は地図上で最も狭いところ、水深は膝下ぐらい、はっきり言ってたいした事ない。沼津2002年とかいうへんてこなペナントを見つけつつ高度をかせぐ。樹林が多く平らなところでもテントが張れない。次第に岩も出てくる。風雪になり剛士もかなりの不安顔。2319mのピ―クをすぎた風の強い所に意地でテントを張る。
2:00起床 3:40出発 5:20荒沢出合 6:10橋 7:20作業小屋 8:20小太郎尾根取り付き 15:40C5(2391m過ぎたコル)

3月14日快晴のち雪
今日は良いテント場を探しつつ出発。ラッセルはなかったりへそまであったり。なんだこの尾根は。2600m付近までいったところでよいテント場が見つからずデポしてすごすご帰る。しかし50m程下った所で小尾根が分岐しており張れそうだったので整地して張る。念入りに斜面の雪を落とし、雪崩によるテント崩壊の予防も。上から見て初めて気付くこともあるもんだなあ。
4:30起床 7:30発 10:03 2535mピ―クを過ぎたコル 12:30C6(2550m地点)

3月15日 快晴のち曇り
風が強くテントをたたむのに張り綱をつけたままたたむ。小太郎山まではワカンで行くが後はアイゼン。最低コルは樹林があり最高のテント場であった。ここでワカンにはきかえるがすぐに用済みとなる。強風の中フラフラして肩の小屋に着く。天気図から二ッ玉低気圧が来そうなので避難用雪洞を堀って、ブロックを積んで要塞化して寝る。(矢内)
3:20起床 5:30発 6:35小太郎山 7:20最低コル 11:00C7(肩の小屋)

3月16日 沈殿 地吹雪のち雨、のち雪
昼から夕方にかけて二つ玉低気圧が通過した。雪かきのとき少しスコップを振り回しただけで息切れする。3000mでの幕営は、いるだけで体力が奪われるのかも知れない。二つ玉は、その最大勢力の影響は外れたようだった。夜半、雨止まず。(香川)

3月17日 沈殿 晴れ時々曇り
朝起きるも、昨日以上の暴風。今日中に北岳を越えようという想い、あっけなく潰える。低気圧通過後の強い西高東低による強風だ。全てを明日一日に賭けて、寝る。

3月18日 快晴
起きてみたら快晴微風。オレンジ色をした満月が伊那谷の方へ沈もうとしている。すごい寒気。2日沈で雨も降ったのでテントはバリバリ、ポ―ルは抜けない。あまりに寒いので雪洞に入って内張りをはぎ、ポ―ルを抜く。その後、北岳山頂を目指して出発。強風が無いのがありがたい。雪庇は左側に出ているがそれほど大きくはない。やがて北岳のピ―ク!
ここから八本歯のコルへ。そこまではたいしたことなく行ける。コルに降りきったところからいよいよ核心部。休憩をとり、心を落ち着かせると同時にザイルの用意。1Pめ。香川先頭。ノ−ザイル。急な雪壁を登るも雪がしまっていて快適。最後はピッケルのピックの部分をナイフリッジに引っ掛けるように上がる。(またがる)「ヤリ甲斐あるなあ、トップは***」(なんか卑猥な文になっちゃった:渡辺)。2Pめ、ザイル出す。トップ矢内さん。中間者渡辺、ラスト香川。矢内さん、急なミックス壁をランニングビレイをとりながら進む。ギャップを越えた所でピッチを切る。ピッチが短いので渡辺はザイルの途中で8の字をつくらせ、それを安全環に引っ掛けさせて登る。ラスト香川。3Pめはそのまま香川がトップ。固定ロ−プがあったが、敢えて使わずに行く。おもしろい。が、ランニングビレイをとるのを忘れた。反省。やがて八本歯の頭に着き、これでやっと難所が終わった。八本歯は予想よりもだいぶ簡単でした。ボ−コン沢の頭まではだらだら尾根。頭からは深くて静かな南アの樹林帯をひたすらラッセルして降りていき、途中で11日ぶりにこの3人以外の人間と会話を交わしたのであった。池山小屋から野呂川までの800m下降は悪路。夏は最悪だろう。そして歓喜の林道が!しかし、その日のうちに下界へという儚い想いは、無人の発電所によって打ち壊された。公衆電話すらない。林道に出てもテントで寝なければならなかった夜、鷲之住山の肩に出たお月さんだけが、僕らを優しく慰めてくれるのだった****。
2:30起床 5:40発 7:00北岳山頂 7:15同発 9:00八本歯のコル 10:05八本歯の頭 14:20池山小屋 17:00池山吊尾根終了点 22:00就寝

3月19日 晴れ
起きる。おっかない錆び鉄吊り橋を渡って、鷲之住山をエッチラオッチラと登る。なかなか、鷲の出てきそうな山だわい。あとは林道を下ってなが−い夜叉神トンネルを抜けると、そこは車なるものが並ぶシャバで、甲州の親切なおじさんが甲府駅まで乗せて行ってくれました。ありがとうございました。(香川)
7:30発 9:30鷲之住山山頂 11:30夜叉神トンネル出口

雑感 農学部4年 矢内英之
全員無事下山できて何よりうれしかった。黒戸尾根は取り付きには全く雪が無く溜息をつきながら登った。俺はボッカしに来たのか?次第に雪も増え、うれしくなってきたが***。自分としては、もっと雪が多く岩稜があり、ザイルを多用するところに今度行きたいと思う。一番ワクワクしたのは野呂川渡渉であった。積雪期に沢筋に下るというのはなんとも甘美なものであった。これは、南アと標高ということも相まって雪崩の危険が高くなかった事に起因するのだろうけどれども。また、氷化したトンネルをヘッドランプをつけずにいくのも気に入った。あの見えていながらなかなか近づけない出口、つるつる滑る路面、次第に上下左右のバランスが失われること****。いろいろ新鮮で楽しい合宿だった。     
反省
個人的にトレ−ニングである。煙草1〜2箱になっただけで全く走りもせずボッカもしなかった。これは甲斐駒本峰を越えた日の行動に結びついてしまった。雪山で動けなければ死しかない。なぜトレ−ニングしないのか?それを考えると思いあたる節がある。自分は上級生としてこの山行なら今までの蓄積で自分の面倒は自分で見れる範囲で全体を見渡して行動できるであろうと。また、目的意識もあいまいだったと思う。自分はこの山行で何を身に付けるのか?自分の限界以上のところに挑むのであればやはりトレ−ニングもするし、目的も明確である。全員を安全に導く、自分にはこの意識が十分でなかった。山行の反省では適切なアドバイスを十分に行わなかった。これは各人が気付いてくれると思ったがやはり基本的なことは教えるべきであった。また、各人にももっと工夫と思考を重ねて欲しい。いつまでも同じ事をやっていても進歩はない。

雑感 教育学部2年 香川浩士 
今回は全体的に振り返ってみると、夏より長い縦走を積雪期にやったということや、無事下山、計画が遂行できたなどの理由で良い山行だったと言える。しかし、僕自身4回目雪
山の合宿で、色々な場面で慣れてきているので敢えて反省点を挙げてみようと思う。自分の場合、その反省の大きな部分が、山以前の事で、1つはモチベ−ションがあがってこなかったということ、もうひとつは風邪を引いたまま山に入ったということです。冬山と春山を比べたとき、冬山は今年初めての雪山なので自然と気も引き締まるし、準備期間もたっぷりある。しかし春は、冬が終わって1ヶ月も過ぎないうちに計画を練りだすし、冬山で雪に触れているので慣れのようなものがあるだろう。そしてその差はトレ−ニング量にも如実にあらわれ、結果的にメンタル、フィジカル両面で半端なまま出発してしまう面があると思う。これを補う精神力が自分には必要だと感じています。2つ目の、風邪を引いて入山したことですが、これは下界で努力すれば治ることだった。もしほかの二人に移ったことを考えると、ちょっとやばいじゃすまなくなる。やはり、合宿1週間前くらいは自分の体調に常に気をはこんで、万全にして行こうと思った。最後に、小太郎尾根は非常に楽しかったです。根性で食いさがってきた剛士、いつもどうり難所で頼もしさを発揮してもらった矢内さん、ありがとうございました。そして、合宿前に丁寧に計画を見てアドバイスをいただいた米沢先生と三穂野先生、及び部員の皆さん、どうもありがとうございました。

雑感 教育学部社会科1年 渡辺剛士
本当にきつかった。体力、天候、すべてが僕の予想を越えていた。正直、帰りたくてしょうがなかった。矢内さんと香川さんに、くじけそうになるところを何度もたすけてもらった。両先輩には感謝するばかりであります。縦走を終えて、帰らなくて良かった、と思っています。反省点は、まず、体力があまりにもなかったこと。精神力も無かった。雪山は、もう歩けない、と本気で思う。思ったが最後、本当に歩けなくなる。だから、体力と、山へ対する意欲、やる気、登ってやるという気合が普段にも増して大切だとおもった。テントでの生活技術も未熟だった。
                                   
(ライタ−:渡辺)        


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