山行名 飯豊連峰胎内川東俣沢本源沢
入山山域 飯豊連峰胎内川東俣沢本源沢
山行日 1999年8月10日(火)〜8月14日(土)
メンバー CL西村正也5 SL矢内英之4 久保耕太郎1

行動記録

1999年8月10日(火)晴れ 起床(5:00)―中条駅発(5:50)―胎内ヒュッテ(7:30)―ビバーク(16:00)
 JR中条駅から胎内ヒュッテまでタクシーで行く。小屋のオヤジに登山届の提出を求められる。沢の状況についていろいろ教えてもらったが、工事中の林道から廊下の先に出ろといわれた。でも廊下の突破が目的なので、無視して頼母木川の合流地点より入渓する。とにかくトンボとアブが多い。1万羽くらいのトンボが乱舞している光景は幻想的である。途中でフライフィッシャーのお兄さんと会う。イワナはたくさんいるとのこと。でも我々には釣れなかった。柱状節理で切り立った岩壁の間を流れている。泳ぎとへつりを駆使して進む。長くて流れのあるところの泳ぎはザイルを使う。泳ぎながらもアブと格闘した。浦島の廊下を抜けると平凡な河原が延々と続く。イワナは1尾だけ釣れた。

8月11日(水)晴れ 起床(5:30)―出発(7:00)―二俣(11:00)―ビバーク(16:00)
 今日は、半日行動。釣りをしながら進む。でも全然釣れない。しばらくは河原歩きと渡渉に終始する。再び上部の廊下が始まる。昼前には二俣に達した。3時間くらい釣りに没頭する。西俣沢で3尾釣れた。夕食の食材を確保しようと必死に釣りをする先輩を尻目に一年生久保耕太郎はのんびりとお昼寝。ちょっと奥に入りこみすぎたらしくゴルジュの真中に寝るのは嫌なので30分ほど下ってビバークする。イワナ汁はとっても美味かった。夜に雨が降った。

8月12日(木)雨のち曇 沈澱
 未明に雨が降って河原に寝ていたが、すぐに一段高いところに逃げる。朝になっても雨が降っていて増水がひどく、上部のゴルジュの突破は難しいようなので停滞する。昼から岩魚釣りに熱中する。最初に幸先よく、1尾釣り上げたが、それからまったく釣れなかった。諦めてビバークサイトに戻ったとき、いきなり40cm級の岩魚がかかった。すごい引きに興奮した。身は刺身にして、頭と骨はイワナ汁にぶち込んで食べた。しかし、このイワナの主を食べてからあまりよくないことばかり起こった。

8月13日(金)曇 起床(5:00)―出発(6:30)―二俣(7:00)―本源沢出合(13:30)―ビバーク(18:30)
 二俣まで約20分。そこから上部の廊下の核心部が始まる。10b魚止め滝、2段5b滝、7b堰堤状の滝と直登する。滑りやすく結構怖かった。もちろんザイル使用。そこで後続パーティに追い越される。東京の社会人は気合が違った。四b滝の流芯を直登するおじさんを見て文化の違いを感じた。そこもザイルをつけて登る。右岸を高巻いた後、懸垂下降20bを二回。そうしたら竜の住むという屈曲したゴルジュが出てくる。ここが一番難しい。東京社会人は右岸のゴルジュを2カ所に分かれて登っていた。どちらも悪そうな岩場だったので、もっと引き返して登ることにする。矢内君が後に戻って滝の側壁に取り付いて一人で登っていった。下部はホールドも多くたいしたことがないのだが、上部のホールドが外傾していて悪いらしく進退極まっていた。そしてクライムダウンしようとしたとき足が滑って大転落した。下で待っていた西村を巻き込んで滝壷にドボン。7bくらいの大転落にもかかわらず、奇跡的に無傷だった。これで完全にビビってしまった。東京パーティが登っているところから登ることにしてザイルをつけて慎重に進む。側壁から草付き、樹林帯に出た後、懸垂2回で河原に下りる。少しいったところが十字峡になっていてまっすぐ行くと本源沢である。出合の連瀑は、登れると遡行図には書いてあったが、どう登るのか見当もつかず、左岸から高巻く。ザイルをつけて40bいっぱいで樹林に抜け、さらに上に出る。さすがに豪雪地帯で木がすべて下向きに生えていて辛かった。足元が滑りやすく高巻きのほうが注意を要する。結局怖がって上へ上へ行きすぎ、下りの懸垂下降が4回にもなって時間ばかりかかった。やっとの思いで河原に降り立ち、しばらく進むと5b滝があった。残置ハーケンがあったので、右壁から取り付き草付きに入ったが、そこからが悪かった。ボロボロの草付きは危険極まりなく上で右往左往していたが、進めないと判断してボルトを1本打ち捨てる。ロワーダウンして夕暮れが迫っていたので、ビバーク地を探す。少し戻ったら先行パーティが草付きを進んだ跡があったので、水を汲んでそこを進む。足元が滑りやすく、落石の心配もあったのでとても怖かった。6時になってもう時間もなくなったので、傾斜地の中でも比較的ましな場所を選んでビバークした。でもすべての装備に紐をつけて木に固定しないと落ちるような急傾斜地で寝られたものではない。もちろん体にはセルフビレーをつけて就寝。

8月14日(土)曇のち雨 起床(5:00)―出発(6:30)―胎内尾根(10:00)―胎内ヒュッテ(16:10)
 夜は体がずり落ちて寝られず、朝食もお粥で力が出ない。朝一発目から懸垂下降の連続。2回で沢に降り立つ。最後の難所、2段20b滝は左岸を巻いた。これも結構悪い。これからも何回か滝が出てきたが、今までの険悪さと比べるとたいした事はない。天気も悪くなりそうなので急ぎ足で上を目指す。水がなくなってヤブの中を突き進むと稜線らしきところに出た。だが、探したが道はなく、途方に暮れる。下に下りたいが、上へ上ったほうが確実に道に出会うので上に向かってやぶこぎ。背丈以上のヤブと格闘すること40分。偶然、人を見つけて、登山道に飛び出した。胎内尾根の登山道はただ藪を切り払っただけで歩きにくいことこの上なし。途中で大休止してラーメンを食べた。少し力が出てきて、快調に尾根道を下っていった。胎内ヒュッテの前で下山する車を待つ。やさしいお兄さんたちに新発田駅まで乗せてもらった。列車より見た、2重にかかった虹が珍しくそして印象的だった。(西村)


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