永田川奥ノクボ報告
矢内英之5 久保耕太郎2

5月3日(水) 晴れ
部室(7:00)−部室出発(7:30)−フェリー発(8:40)−屋久島(12:45)−林道入口(14:30)−水鳥沢(17:00)
 沢ぐつが足に合わず、マメができたので予定の鹿之沢小屋は断念。水鳥沢でビバークを決める。標高1000m付近は多少寒かった。

5月4日(木) 晴れ 
起床(2:30)−出発(3:00)―鹿之沢小屋(8:30)−鹿之沢小屋発−65/66を下る(10:00)−奥ノクボ出会い(17:00)
 思った以上に鹿之沢小屋は遠かった。鹿之沢小屋で、ガス缶・コッフェル・食糧などをデポする。65/66の下りは、シャクナゲが繁りまあまあバテた。奥ノクボ出会いから奥ノクボを見上げると、まるで滝のような沢で水もなく登る気持ちも失せる。明日のアタックのため下見を済ませ、ビバーク地を探す。少し下ると岩屋がありビバーク。

5月5日(金) 晴れ
起床(5:00)−出発(7:00)−奥ノクボより神様のクボへ下降(12:00)−永田岳(19:00)−鹿之沢小屋(20:00)
 足のマメも大分回復したようで昨日偵察したところより取り付く。取り付きは右岸の奥にみえる苔むした20mほどの滝の基部である。ここから右へノーザイルで進み台地状のところを広く開けたルンゼを目指し右上する。荷揚げ1回。すると河床から40〜50m程の水がチョロチョロ流れる本流につく。水を汲み右岸の階段状の岩をつたっていく。ノーザイルだったが上部は滑りやすくザイルを出すべきだった。ここでもう水は流れてない。真ん中には細々とブッシュが走っているとーふ状ののっぺりした2段40〜50m程の滝に出る。この滝の左右にはチムニーが走っておりいけないこともないが、ここからザイルを出し右へトラバース(1P目)右のブッシュをひたすらヤブコギして立木でビレー。難しくないのでザイルをとき、右の岩壁沿いにヤブをこぐ。岩に頭をおさえられた所で左にトラバースしてトーフ状の2段の滝上部に出る。再びアンザイレンし、ザイルいっぱいの所で立木ビレー。右は体一つ程入るトユ状となっており、ここにトラバースして登っていくが再び左の露岩づたいに戻りさらに左へ入ってブッシュの中でビレー。次に右のトユ状滝へ渋いトラバースを行った後降り立ち、苔むした沢筋を登り、巨木のはえるブッシュに入る。このピッチで矢内3メートル滑落、ナッツで止まる。時計をこのときなくす。あとはノーザイルでヤブコギをする。左よりにヤブをこぎすぎて、1回アップザイレンしズンズンヤブコギ、詰めは左右に分かれていたが、右に行ったら岩に頭をおさえられたので、神様のクボへ3回のアップザイレンでフリーを交えて下る。50m懸垂ではザイル回収できず1回登り返す。イヤニナッチャウナもう。後は神様のクボを経て永田岳に登り鹿之沢小屋につく。

5月6日(土) 晴れ
起床−出発−永田バス停(10:10)
 時間がわからず小走りで下る。

雑感
農学部5年 矢内英之
 何よりも天気がよかった。これに尽きる。短い期間で目的が達成できたのもこの天気のおかげだった。しかし、計画どおりに行けなかったのは我々の気合のなさでもある。奥ノクボは開けたルンゼでブッシュも多く実質的な登攀は下部の高さにして200m程だろう。1582mPにも突き上げられずあまり納得した山行ではなかった。チクショウー。また来る。

【奥ノクボ】
 65/66谷との出会いは左右40〜50m程であり、かなり開けたルンゼである。65/66谷河床からはトーフ状の滝や左岸や岩壁が見える全体的にブッシュが多く、ルートはかなり自由度が高いと思う。核心らしい核心はなく、詰めで右により過ぎると神様のクボへの下降となってしまう。アンカーとしては立木がある使用したギアはナッツのNo.9、8、7及び兼用ハーケンでボルト使用せず。アングルがあれば少々心強い。

工学部2年 久保耕太郎
 目的である奥ノクボ完全遡行はできなかったが、8割以上つまり核心は超えたので、僕の中では良かったと思う。しかし、沢の魅力である泳ぎや、ルートファインディングがあまりなく、僕の中で『奥ノクボ』はあまり好きな沢ではなかった。
 今度の山行はほとんど岩登りに近く、ザイルワークの実践を経験できたことは満足している。途中で神様のクボに逃げ、永田の1,2峰のコルに突き上げるまでのヤブコギで処刑され、久しぶりに苦しさを味わった。宮之浦を見たその一瞬、僕は美しい景色より苦しさから開放された。そうなんだ、僕はその瞬間のために山に登っているんだ。この合宿に来て良かったと思う。

反省
 体力、技術ともあまく、時間をロスした。夏に向けトレーニングする必要があると思った。