南アルプス甲斐駒ケ岳日向八丁尾根偵察山行報告書

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夏山合宿 南アルプス甲斐駒ケ岳日向八丁尾根偵察山行報告書
期間:2002年8月25日〜8月29日
山域:南アルプス日向八丁尾根〜甲斐駒〜仙水峠〜早川尾根〜鳳凰三山〜夜叉神峠(二万五千分の一地形図・長坂上条、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、鳳凰山、夜叉神峠)
参加部員: CL 渡辺剛士(4)   SL・その他 渡嘉敷唯史(2)
主な装備:2人用テント(非山用) ザイル11mm50M 捨て縄4本 15Lウォ−タ−バック ハ−ネスほか個人装備(シェラフなし) 食料・ガス6日分(実働4予備2)

内容

8月25日 晴れ 松本〜日野春〜横手〜竹宇〜尾白川林道
松本から一路日野春へ。最初、駅から全部徒歩で行こうと思っていたが(金のために)、うまい具合にバスがあったので利用。終点の横手集落で握り飯を買い食いしながら尾白川林道へ。かなり無謀な試みであることに歩き始めてすぐ気付くがすでに手遅れ。かなりだらだら歩く。林道に入ってから日が暮れ始めるとすごい雰囲気になってきた。闇の中の林道歩きは心臓に悪い。点在する無人の別荘がかなり不気味だ。幸い駅で水を満タンにしておいたのでさっさと幕。やはりテントは落ち着く。重い思いをした甲斐があったと二人納得しつつ寝る。


8月26日 晴れのち曇り
4:40起床 6:00出発 7:00登山道入り口 8:50日向山 12:00駒岩(鞍掛山分岐) 14:10大岩山の前(東)のコル2710M
 いきなり40分寝坊した。1ピッチで登山口。積雪期も登山口までタクシ−は入るようだ。整備された登山道を歩く。日向山山頂の手前のコルには巨大な電柱が立っていた。なにこれ?山頂付近はテント適地。山頂からコルへのくだりはさらさらした砂の急斜面。積雪期どうなるのか見当もつかないが、RFは問題なかろう。ここからいよいよ八丁尾根。コルからの登りはのっけから岩。まるで歓迎されているようだ。ここから細い尾根の上に巨岩が立ちふさがるという状態が1622Mピ−クの西側のコルまで続く。このコルはダンロップ一張り程度はいける。細く急な尾根を進み、一回ルンゼをトラバ−スして左手の尾根に移る。ルンゼ上部の超巨岩が目印。赤布もつけまくるアキレス腱が切れそうな超急登を左手の尾根の側壁を見ながら登り、この尾根と合流したあたりから緩やかなテント適地の多い斜面に変わる。1930M小ピ−クあたりから尾根上の藪が激しくなってくる。右手側は杉木立で楽そうだが、あえて尾根(リッジ)を行く。左手は右手に比べ急峻に切れ落ちている。2029Mピ−ク(駒岩)は広く、何張りでもいける。「森の中の焚き火キャンプ」と洒落込みたかったが(それほど気分のいいところだった)、先を急ぐ。この先もテントの張れそうな樹林の尾根が続く。まあ積雪期は激しいラッセルだろう。藪を覚悟していたが、意外にもこのあたりは杉木立の中の快適な踏み跡で気分がいい。2180Mピ−クから大岩山や烏帽子方面が開けていて見えた。緑、というより黒い。2180Mピ−クの少し手前に巨大な看板が倒れている。ここまで担ぐの大変だったろうなあ。ここからコルへの下降は積雪期より無雪期のほうが迷う(背の低い杉木立のため)。このコルで幕。巨大赤布をコルのでかい木にテ−ピングで貼る。今日は快適な踏み跡のハイキングだった。


8月27日 曇り(ガス)
3:00起床 5:20発 5:50大岩山 13:00烏帽子岳 13:40三つ頭 
14:00ごろ六合目TS
昨日は寒かった。ゆっくり日の出を待って出発。大岩山の登りは杉の中の普通の登り。あっという間に大岩山ピ−ク。「大岩山」の標があった。ここからはRF要注意だ。左手から大きなルンゼが入ってきていて、これを左手に見ながらコルに下り、少し上ると、大岩山からルンゼを挟んだ小ピ−クに出る。この小ピ−クに赤布を貼った。大きく曲がっているので要注意。ここから急激に尾根は下る。ガスが濃くてコルが見えない。地図上に見える中川方面に落ち込む支尾根に入り込むのだけは避けたかったので、左よりのル−トを取っていたが、傾斜が急になり所々浮き浮きの岩が出てきたのでやむなく懸垂。下は尾根というより崖だ。支点は巨木がたくさんあり事欠かない。50Mザイルのシングル懸垂で一発だったが、積雪期は僕らの懸垂地点までクライムダウンするのは困難だろうから、2〜3回の懸垂が必要かもしれない。倒木の多いコルから後ろを振り返ると、僕らが下った斜面は鞍掛沢側が崖になっていて、僕らはその崖に突っ込むか突っ込まないか位のポジションからの懸垂だった。もう少し中川側から下ればよかった。今山行の技術的核心だ。
コルからも踏み跡があるにはあるが、進むにつれ次第に心細い跡になってくる。小ピ−ク(2180M)を越え少し下って登り返すとテン場となりそうな感じのところがポツポツある。尾根が南東に屈曲するあたり(多分ね)から鹿道が交錯し訳がわからなくなってきたので意を決し尾根の真上を進む。どうだ、これなら絶対に間違えないぞワハハハ。尾根上はV+のヤブ。ハイマツとシャクナゲのミックスだが、永田岳北尾根に比べたら屁みたいなもんだ。左手側はガスが濃くよく見えないが急で、地図では崖になっているようだ。おそらく2301Mピ−クと思われるプラスチック製のかなり新しい杭を発見し、二人で喜ぶが、このあたりからヤブは常にW級の、ときにハイハイしながらくぐるヤブが出てきて非常に精神衛生に悪い。右手が杉木立で楽そうだから尚更腹が立つが、鹿道に引きずり込まれるのが嫌なので耐える。ふと振り返って渡嘉敷を見ると、「氷壁の達人」みたいに額に血管が浮き出ていた。烏帽子中尾根合流点の手前あたり(と思われる)から岩がポツポツ出始め、突然尾根上にもう完全にどうにもならない岩が出てきた。中川側から小巻きしたつもりが距離的にも技術的にも(尾根の側面が崖になってた)どえらい登り返しになってしまった。なぜか針金発見。これが戦前張られてたワイヤ−か?と色めき立つ。何とか尾根に復帰するが、ここから「地に足の着かない」W+のハイマツのヤブが続く。しかも視界10M。かなり帰りたくなる。おや、前方にはげたところ発見、と思ったらそこが烏帽子の頂上だった。少しの間岩岩したところをゆくと、2550Mコルから明瞭な踏み跡のハイマツ帯に出る。二人して喜ぶ。進むにつれ高木が増え、ついに樹林の中の三つ頭分岐を示す標を発見。かなり喜ぶ。テント適地だがもう少し行くことに。標の周りは樹林帯だったが、稜線(三つ頭)に出るとはげている。ここの稜線は戸台川側は完全に崩落あるいははげているが、尾白川側は樹林だ。積雪期は戸台側からの吹き上げが強いことを予感させる。岩もちょくちょく出てくる。ダラダラ進んでいたらやたら平らな整地されたところに出たので、「これが6合目小屋跡か」と思い、幕。


8月28日 晴れ後曇り
4:00起床 5:30発 7:00甲斐駒ケ岳 8:20駒津峰 9:25仙水峠 10:30栗沢山 11:35アサヨ峰 13:30早川小屋 14:50広河原峠 15:30白鳳峠TS
 ド快晴の中出発。大岩がゴロゴロし始めると、稜線の右手に大岩に埋もれるような感じで6合目小屋があった。小屋というより石室だ。かまわず進む。7合目は大岩山下降とは違った意味で核心。稜線上に大岩が通せんぼして、右手から巻くのだが、この際3Mほどのフェ−スクライミングを強要された。5.8くらい?一般道としては厳しすぎる。おまけに人工的補助のワイヤ−が怪しすぎて使う気にならない。積雪期はザイルか?8合目は普通の岩場。9合目は稜線上に生えるのこぎりの歯のような岩を右から巻いた。積雪期も巻けそうだ。なんだか10合目=本峰ではなく、10合目→本峰だった気が・・・。まあとにかくついに甲斐駒に立つ。三年ぶりの甲斐駒だ。昨日のガスがうそのようなピ−カンである。三年前も晴れていたなぁ。
下降路を間違え時間を食う。駒津峰で写真をとってもらう。ようやくまともに2人で写ったな。仙水峠のくだりはとにかく長い。樹林の中をズド−ンと降りていく。しかも峠を挟んで向こう側がこれまたズド−ンと下った分上がっていて思わず「吊り橋がかかっていたらなぁ」とつぶやく。ちょっと下るとバス道、偵察の必要性があまりないこの先のル−ト、疲労など、やる気の下がる要素があまりに多く、峠で真剣に「撤退する理由」を考えるが、何とか思いとどまった。渡嘉敷はどうだったのかな?
栗沢山の登りは樹林→ハイマツ・低木→岩の段階を踏んだ分かりやすい構造。岩はラスト50Mほど。栗沢山〜アサヨ峰間は岩とハイマツ。積雪期も問題なかろう。アサヨ峰から先はずっと樹林の中のアップダウン。ときおりテン場となりそうなところが出てくる。早川尾根はアップダウンが多いと聞いていたが、早川小屋に着く頃には二人のやる気と体力は根こそぎ持っていかれていた。しかし、ここで幕とすると明日中の夜叉神峠下山は不可能だ。予備日を使ってまで夜叉神に行くほどの気力はない。予備日に突っ込んだら絶対にエスケ−プしてしまうだろう。渡嘉敷と協議の結果、ここで水を補給し(日野春駅以来)、今日中に行ける所まで、できたら白鳳峠まで行こう、それで明日中の下山が駄目なら諦めもつく、ということになった。「倒れるなら前向きに」の精神だ。小屋のテント客からビ−ルを進められるが丁重にことわる。どうにか白鳳峠まで歩きとおした。これにより、計画通りの完全縦走の可能性を残すことができた。(小屋〜白鳳峠間は樹林、時々ハイマツ)


8月29日 一日中快晴
3:30起床 5:00出発 6:20高嶺 6:50地蔵分岐〜地蔵ヶ岳ピストン〜7:25地蔵分岐 8:50薬師岳 9:40南御室小屋 12:00夜叉神峠小屋 12:30夜叉神峠登山口
 すばらしい天気の中出発。こんな天気なら登らなければ損だ。少し登ると樹林はハイマツに変わった。視界が開けて、青い空が広がった。これは最高の気分だ。帰らなくて良かった。登りの上部で短い岩稜帯が出てくる。高嶺はしょぼい二つのピ−ク。くだりはやたら尾根が細くなっていて、最低コルからの登り返しは、左側が崩落していて積雪期難しそうだ。
地蔵分岐周辺〜観音岳直下は広河原側が砂ともろい砂岩の岩塔がニョキニョキ生える特徴的な光景だ。ドンドコ沢側は樹林になっているが、分岐〜地蔵ヶ岳間は人間により侵食されていた。渡嘉敷がオベリスクを登っているところを撮ったが、うまくいかなかった。       
走って分岐に戻り、先を急ぐ。2630Mコルからの登りが、出だし急だったが後はだらだら登っていって観音岳へ。甲斐駒をバックに写真をとってもらう。この辺は積雪期も特に問題になるようなところはないだろう。広河原側からの風が強そうではある。観から前方にのっぺりした台地が見えたが、これが薬師岳だった。広いので積雪期はRFに注意だ。
薬師岳から巨岩の方に下ると突然森になる。少し進むと薬師岳小屋があった。ここから南御室小屋までずっと樹林。途中ボルダリングできそうな巨岩があったが足早に無視。南御室小屋で一休みして夜叉神へ向かう。車が通れそうなほど幅のある登山道をぐいぐい進む。
苺平の先の草原から高速下山モ−ドに。小走りに夜叉神峠小屋まで突っ走る。小屋でレ−ションを食べ過ぎて最後に失速したが、下山モ−ド大爆発であっという間に登山口に着いた。幸い3年前と違い普通にバスで下山できた。甲府で打ち上げ。甲府はやかましいので日野春でビバ−ク。(この後、二人は18切符で鹿児島に帰るが、福岡で台風につかまり大変な目に・・・)


偵察の結果
 日向八丁尾根はかなりやりがいのある尾根で、大岩山下降RFおよび懸垂、烏帽子中尾根付近の岩峰の処理が技術的課題で、後は延々とラッセルだろう。TSは豊富で気にかけることはない。
三つ頭〜甲斐駒間は7合目の岩場が難しく、雪の付き方によっては9合目の岩場も難しいだろう。
甲斐駒から先は、これはおそらく積雪期にやっても同じだと思うが、横に走る林道がモチベ−ションを奪う。甲斐駒という魅力あるピ−クを踏んだ後なのでますます蛇足的に感じる。技術的には何の問題もないが、夜叉神まで継続すると計画の合理性というかスマ−トさにおいて疑問がある(自分で考えておいてあれだが)。しかし合理性のないところにこの計画のよさがある気もする。意志の力で不合理を屈伏させたという快感がある。甲斐駒だけでは一年は良くても上級生にはちと食い足りないだろうし(簡単なわけではないが、春山としては短い)。この辺はみんなでじっくり考えたい。
薬師からの下りはだらだら長いので、「夜叉神まで行くんじゃ」という目的意識がない限りは尾根上を下る青木鉱泉方面への下山がよろしいと思う。


雑感 
教育学部 社会専修 4年  渡辺 剛士
日向八丁尾根は思ったより先まで踏み跡がありだいぶ助かった。ヤブの密度は予想の範疇だったが、渡嘉敷にはこたえたろう。トカもこれで一皮むけたかな?甲斐駒から先は下山の誘惑との闘い、と言ってしまうとちょっと違う気がする。甲斐駒を気持ちよく踏んだ後の蛇足を心のどこかで嫌がっていたのかも知れない。28日はどちらかが「下山しようか」といえば下山していただろう。それだけモチベ−ションが低下していた。最後の一線で僕らを支えたのは意地の張り合いだった。「先に言った方が負け(戦犯?)」みたいな気分もあったし、出発前、香川さんに「ヤブの後、林道見たらやる気無くすぞ〜、行けるのかいな」と言われていたことへのささやかな抵抗、またCLとしては特に問題もないのに下山はできんという矜持もあった。早川小屋での判断は最高のものが下せた。翌日のド快晴は頑張った僕らへのごほうびであろう。渡嘉敷、お疲れさん。君の額の血管に乾杯。

法文学部 法政策学科 2年  渡嘉敷 唯史
林道歩きはひたすら長くて、だるい。しかも使われていない様なペンションのドアがギーギーなるのは気味悪い。頭の中にはクマ・ヘビ・ハチという嫌な想像があるし最悪だった。登山道入り口から日向山まではハイキングコースと名の付く通り、楽だった。日向山手前のピークに電柱があるので迷いにくい。日向山からの道は足幅が狭い。細尾根という事で迷いにくい。1700m地点からは急登や獣道もあるので迷うかも。大岩山手前のコルまでの下りは初めだけ右に曲がり、途中から左に曲がっていく。大岩山までの登りは迷いにくい。大岩山からの下りはすぐに2つに分かれているので(ルンゼを急激に曲がる)、道を間違えやすい。しばらく歩いて、この合宿のメインの懸垂下降地点に取り掛かる。そこまで左にと下っていたが、コルに直接下りてしまうので、少し右に下りていくと良い。懸垂下降には、支点に適した大木がゴロゴロある。懸垂後はヤブばかり。とりあえず尾根上を歩くも、鹿道が気になり、たまに入りこむ。三つ頭まで行くまでヤブとの闘いだった。その日はうんざりした。甲斐駒ヶ岳を通り、早川尾根小屋までのコースはアップダウンの繰り返しでこれにもうんざりした。甲斐駒ヶ岳の登りは中高年が多かったが、登りが厳しい感じがした。まぁ以外に行けるもんなんだと思う。最終日は天気も良く、始め以外は登りもなく、鳳凰三山を楽しんだ。全部行けて良かった。

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