山行名 2002年度屋久島ゴールデンウィーク 永田川沢登り合宿
山域名 屋久島永田川神様のクボ
山行日 5月3日(金)〜5月6日(月)
メンバー L:渡辺剛士(4) 新谷元信(2) 針原謙一(2)

行動記録

5月3日(金) 雨
宮之浦港着(13:30)―永田バス停発(14:42)―林道終点(15:40)―水呑沢手前の左岸(17:50)
 この日は、林道終点まで行き、それから永田川の右岸の道があってないような所をひたすら前に進んだ。とてもヒルが多く、5ヶ所以上はかまれたであろう。日が暮れる時間となったので、広くて平らなタープがはりやすい場所でビバークした。(新谷)

5月4日(土) 曇りのち雨
起床(5:20)―出発(6:36)―水呑沢(7:20)−一五郎(9:50)―F15上部(11:15)―上前の山出合いの大インゼル右岸の小岩屋(18:00)
 1時間ほど寝坊してしまった。昨日より若干水量が減っていたがそれでも多い。私が渡渉しようとしたとき、流れに足が引き込まれ3mほど流された。その後、ハーネスを装備して厳しいところはシュリンゲを連結して使い、突破した。途中ボルトが打ってある大岩があったが、突破は困難(剛士さんが滑りかけて危険だった)と判断し巻いた。上の岩屋まで行くはずだったが、私がバテたため右岸途中の小岩屋でビバークした。狭かったので寝苦しかった。(針原)

5月5日(日) 曇り
起床(4:30)―出発(6:20)―二股(上の岩屋)(7:40)―神様のクボ出合い(10:00)―下部ゴ−ロ帯を突破(12:30)―左からの大きな支流と出合う(13:15)―T・U峰のコル(17:00)―永田岳T峰(本峰)(18:00)―鹿の沢小屋(19:40)
 厳しいビバ−クの朝は出発が遅いと相場は決まっている。二時間近くかかってしまった(ビバ−ク経験の浅い我々にとっては結構厳しいビバ−クだった)。岩屋を出てすぐに左手から大ルンゼが迫ってきて、昨日の岩屋は上前の山出合の大インゼルの右岸側であったと知る。水量に苦戦しつつ上の岩屋へ。上の岩屋には相変わらず京大メットが鎮座していた。
岩屋で遡行図をチェックし、右谷突入。
右谷に入ってからも水量は多く、F1、F2、F3は右岸(記憶あいまい。F1は右岸だが2,3はうろ覚え)からの高巻き。結構岩が浮いていて危ない。中のクボ出合のF4は圧倒的だが左岸から簡単に巻き。トゲ植物がうざい。F5は右岸壁の棚状に取り付き小巻く。滝の直登は沢登りの華だが、巻きがドンピシャ決まって滝の落ち口に出たときのしてやったり感もまた快い。F6〜9はたいしたことない。奥のクボ出合は一発でわかった。ヒラタケ沢そっくり。矢内さんとコ−タロ−、よく行く気になったなあ。
 F9を越えると急に木が茂ってきて、神様のクボから押し出されてきた巨岩がごろごろしている。ガスが濃く神秘的ですらあったが、一番左側のチムニ−状にムリヤリ取り付いて巨岩と大木の迷路をさまよっていると、「このまま神隠しに遭ってしまうのではないか」と不安になる。巨岩のトンネル(隙間)をくぐったり、藪をこいでいるうち、突然前がひらけて、シャクナゲ帯を沢が流れる、美しいとしか形容の仕様のない光景が現れた。しかし、遡行図には「40〜60M」と書いてあるが、俺達は60M進むのに90分かかったのか?そんな疑問も快適に高度を上げるうちどうでもよくなる。左から大きな支流が出合い、二股といってもおかしくない。そこから1〜2ピッチで再び藪へ突入。水は念のため神様のクボ出合で取ったが、二股上部でも余裕で取れる。ハリケンがシャクナゲの藪に大苦戦。シャクナゲの藪では謙虚な気持ちが必要で、パワ−で行くと五秒でバテる。「戦いはパワ−じゃない」。やがてシャクナゲはヤクササに変わる。左右の圧倒的な岸壁がすごい。意外とあっさりコルに出たが、その油断で誤って鹿道に突入し、余計に4、50分は藪をこぐハメに遭う。本峰はすぐ右だったというのに・・・。永田本峰で写真をとって鹿の沢へ。ハリケンが完全にバテていて遅れる。登山道の崩壊があまりにひどく、肝を冷やす。ラスト2,30分ヘッドランプ行動となる。小屋に着いて、寝ている人を起こさぬようコソコソと飯を作る。登攀終了の充実感を語り合いたいところだが。やがて渡辺の病気がでて、折角の残飯パ−ティもおひらきに。(渡辺) 

5月6日(月) 曇りのち晴れ
起床(5:00)―出発(6:00)―林道(10:10)―永田バス停発(11:32)―宮之浦港着(12:00)
4時に起きるはずが5時におきたので、すばやく準備をし、6時には出発した。バスの時間を気にしながら、ひたすら永田歩道をはや歩きで下った。4時間ぐらいかけて下った。もう足がボロボロであった。バス停の近くの売店でバナナをいただいた。(新谷)


雑感
教育学部 社会専修 4年 渡辺剛士
 耕太郎のドタキャンにより、出発前夜に安房川北沢右股から永田川神様のクボに計画変更したが、これは明らかに間違いであった。技術的には容易になったが体力的には困難になり、総合的にはあまり変わらない沢に行ってしまった。一回行ったことがあるということで安易に決めてしまった。パ−ティの実力から見て無謀登山ギリギリだった。リ−ダ−として反省すべき点はこの一点に尽きる。山域設定ミスという大前提を無視して言うと、針原と元信の実力差が甚だしい。ぶっちゃけ、心技体全部。体力技術もだが、特に精神面で。ハリケンはこれをどう感じているか。夏の定着までにトレ−ニングし、恥をかかぬように頑張れ。元信は体力技術は及第点だがメンバ−シップはまだまだ。周りをみる余裕が欲しい。
個人としては、沢に入ってから(入る前も?)怒鳴りっぱなしで、2人に悪いことしたな、折角の楽しい「沢旅」を台無しにしてしまったな、と思っている(君達も僕に怒鳴られるようなことし過ぎとも思うが)。パ−ティ全体に余裕がなかったため檄を飛ばしてムリヤリ引っ張っていくという図式だったが、そもそもギリギリになるような山域を設定した俺が悪い。
最後に、自分の頭で「いま、自分がすべきことは何か」を沢に限らず常に考えて、行動して欲しい。沢の難所では阿吽の呼吸でトップは黙ってショルダ−を出し、セカンドはこれまた黙ってその肩を乗り越える。ビバ−クでは率先して食事の準備をする。無駄なリ−ダ−からの指示やメンバ−からの意見はなく、リ−ダ−は必要な指示だけ出し、メンバ−からはより良い提案がポンポンでてくる。焚き火を見ながら沢の魅力を謳歌する。俺はそんな沢がやりたい。

理学部 物理学科 2年 新谷元信
 やはり屋久島の沢はすごかった。そして、美しかった。下山は最悪で、ビバークは楽しかったとは言えないが、沢登り自体は楽しかった。特にトップを行ったときは非常に楽しかった。全体としては、あまりいい雰囲気ではなかった。剛士さんは怒鳴りっぱなしだし、ハリケンはばてるし、僕はナイフで指を切るし…反省することはたくさんあるが、それ以上にすばらしい沢登りになっただろう。

教育学部 数学専修 2年 針原謙一
 2日目、3日目完全にバテた上に生活技術も未熟だった。けれども、屋久島の沢を初遡行することができたのでよかった。永田川本流の滝、ルンゼ、スラブなど何もかも迫力があり巨大だったし、神様のクボは花が咲いておりすごくきれいでとても楽しかった。(シャクナゲの藪以外)また、初日の焚き火もよかった。体力及び技術不足のため、何度も助けてくれた剛士さんと元信には大変感謝している。ありがとうございました。