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2004年秋 剣岳・下ノ廊下山行
西村(単独行)
2004年9月24日(金)雨
鹿児島 16:40
福岡  21:00
小郡実家21:45
 雨の中、高速バスで福岡に向かう。鹿児島中央駅の駅ビルに観覧車ができ、すごく賑やかになっていた。

9月25日(土)曇
小郡実家10:04
福岡天神10:40
福岡空港11:35
富山空港14:05
富山マンテンホテル15:00
 小郡の実家から西鉄電車に乗り、福岡天神に出る。天神の書店で暇つぶし用の本を買い、地下鉄に乗る。地下鉄のホームに転落防止用の柵が新設されていた。福岡空港で富山行きは第一ターミナルと言われ歩く。第一ターミナルはすごく小さくて古い。早く着いたので窓際の席がゲットできた。久々の飛行機でなんだかワクワクする。離陸時の加速が大好きだ。離陸するとちょうど那珂川町の新幹線車両基地の上を通り、七隈の福大が見え、そしてなんと小郡の実家の真上を通ってくれた。自分の実家を空から確認できた。富山上空では剱岳の早月尾根が確認できた(ちょっとガスがかかっていたけど)。富山空港はなんと河川敷にあって、飛行機を結ぶブリッジに堤防があった。つまり、神通川があふれそうになったら滑走路は水没するってこと。すごく面白い空港でびっくりした。富山市内まではバスが走っている。約20分程度で市内まで行ける。泊まるホテル前に停留所があるらしいのでそこで降りたら、相当遠くて地図広げて右往左往した。バス停から100メートル以上も離れているのには閉口した。晩飯は懐かしいお好み焼きの「ぼてやん」へ。イカ玉大盛を何とか完食できた。

9月26日(日)曇
起床 8:00
出発 9:15
電鉄富山 9:53
立山 11:10
美女平 11:40
室堂 13:20
雷鳥沢 14:05
別山乗越 15:35
剣沢 16:10
 朝食が7時からということなので、それまで待ってと思ったら大きく寝坊した。ホテルの最上階レストランで優雅に朝食をとる。富山駅までは歩いて10分ぐらいであるが、予備の食料を途中のコンビニで仕入れる。富山地鉄に乗るが他の車両故障で大きく遅れた。立山のケーブルカーと室堂行きの高原バスが新しくなっていた。さすがに夏山の時のような人出ではなく、バスも空いていた。高原バスは案内用ビデオがDVD化されており、運転手が称名滝がガスで見えなかったバージョンなどスイッチで操作できるようだった。昔は、各車にバスガイドが乗っていた時代を考えるとDVDのビデオは何か味気ない。室堂付近は紅葉がちらほら。残雪はまったくなく、何か寂しげだ。荷物がやけに重い気がした。一人で三人用テントを担いでいることが原因のようだ。別山乗越まではフルボッカで登山者をゴボウ抜きする。が、これが結構疲れた。剣沢に無事登頂。県警の香川君を探すも姿は見えず。野営管理所にお金を納めに行こうと思ったらもう閉鎖されていた。後から聞いた話だが、香川君たち山岳警備隊はこの日に野営管理所を閉じて剣沢小屋に泊まっていたという。この日は会えず、残念。剣沢はいつになく風が穏やかだったが、気温が8℃ぐらいと寒い。フリースを着て寝ても寒かった。

9月27日(月) 曇ときどき雨
起床 4:40
出発 5:40
剱岳山頂 8:45
剣沢 12:15
 天気が悪い。雨音がパラパラとテントに当たる。こういう日は憂鬱だ。外を見るとガスで一寸先も見えないかと思っていたら、高曇りで剱岳山頂までハッキリ見える。雨なのにこんなに視界がよいのは経験がない。風もなく、視界良好なので出発する。雨は降ったり止んだりだ。一服剣までは体が何か重いような感じがあり、前剣まできてもだるさがとれなかった。調子が悪い。前剣の落石危険地帯で雷鳥を見た。カニのタテバイは最後の一歩のムーヴが厳しいように感じた。よく昔は30キロも荷物を担いで登ったなあと思った。山頂に到着しても雨は降ったり止んだりであったが、視界がやたらよく白馬岳、五竜岳、遠くは槍ヶ岳まで見えた。山頂からBlogを更新したり、電話をしたりした。下りのカニのヨコバイも岩が湿っていたせいもあって厳しく感じた。この辺は日ごろ人工壁ばかりやっていて岩場の通過に慣れていないからだろう。ちょうどお昼にテント場に帰り着いたが、疲れているようだったので真砂沢まで移動するのはやめにして2時間ほど眠った。

9月28日(土)雨のち曇
起床 5:30
出発 7:30
真砂沢ロッジ 10:10
仙人池 13:35
仙人湯 15:30
阿曽原温泉 17:10
 朝3時ごろから雨が降り始める。なんだか行く気がしなくて、ちょっと寝坊する。ラジオでは晴れの予報なので雨は止む方向なのだろう。小雨の降る中、テントを撤収する。真砂沢ロッジまでの道は8月ごろだとほとんどを剣沢大雪渓の上を歩くのだが、今年は雪が少なくまた土石流で雪渓がズタズタになっていた。そのため道は大きく右岸を迂回しており一部はフィックスロープが張られていた。フィックスロープを伝って慎重にクライムダウンする場所があり、下は大きなシュルントが口を開けておりあまり気持ちのいいものじゃない。雪渓を渡ったのはたったの2箇所の100メートルも満たない距離であった。ずっとガスだったのだが、真砂沢ロッジが下に見える頃、急激に天候が回復する。真砂沢ロッジまではとても時間がかかった。仙人新道の入り口の沢には吊橋がかかっていたが、土石流で土台を残して流されていた。仙人池までの急坂を登る。途中でクマの糞を見つけた。剱岳周辺にもクマがいるんだなあと初めて思った。ヒーヒー言いながら仙人池についたが、あいにくガスで裏剣の絶景は見ることができなかった。本当に残念だった。仙人湯までは沢伝いに降りていく。沢をトラバースするように道がつけられているが、あまりよい道ではなく下が切れ落ちている部分もあり緊張する。残雪の有無でコースタイムが大きく違いそうだが、休憩をまったく取っていないのにコースタイムより大きく遅れ焦る。仙人湯を過ぎ、下り道ではガスに巻かれ、東側の斜面のため日暮れが早く、どんどん暗くなるので焦りまくった。3時間、まったく休まずぶっ通しで歩きなんとか日没前に阿曽原小屋に近づく。県警のヘリが何度も小屋に接近していた。後から聞いたが仙人ダム付近で事故があったという。阿曽原小屋のテント場には私を含めてテントが4張。こんな山奥なのにトイレは水洗で、電気もきていた。関電の軌道が走っており、

9月29日(水) 曇時々雨
起床 4:00
出発 6:05
志合谷 9:30
欅平 11:46
宇奈月温泉 13:05
電鉄黒部 16:00
 隣のツェルトの兄ちゃんが明日は雨だよと教えてくれた予告どおり朝から雨が降る。この山行中、毎日雨が降らないことがなかった。テントをたたみ出発する。黒部川にそって文字通り水平に道がつけられている。所々断崖絶壁の場所を通過する。そういう場所には針金かワイヤーが張られているので普通に歩けば危険ということはない。が、断崖絶壁のトラバースする場所が全行程の4分の1程度は含まれており、集中力を持続するのが難しい。つまづいてズッコケたら谷底へ転落する可能性もある。このルートでの死者が毎年出ているとのこと。決して侮ってはいけないルートだと思った。どう集中力を切らさずに歩き切るかがポイントであろう。
 折尾谷と志合谷で道は大きく屈曲している。ほんの目の前にある場所に行くのに大きく道は迂回していて、面白い。志合谷を越える場所では橋を架けると雪崩で壊れるのでトンネルが掘ってあった。これがお化けがでそうなくらい恐ろしい素掘りのトンネルであった。中は漏水で水浸し、トンネルは内部で曲がっていて出口が見えない。ヘッドランプ頼りに進んだが、何かすごく怖かった。
 志合谷を越えてから後ろを振り返るとたくさんの登山者が歩いているのが見えた。どうやら私が先頭らしい。歩くペースはそんなに速くはなかったが、休憩をほとんど取らなかったので結局一度も抜かれることなく欅平の駅に着いた。欅平駅でニュースを見ると九州を台風が直撃したという。
 欅平より1時間10分程度のトロッコ列車に乗る。トロッコにもいろいろグレードがあるが、当然一番安い普通車に乗る。普通車は屋根しかないふきっさらしの車両だった。トンネル区間はとても寒く、雨具を着込む。最初はトロッコも面白かったが、1時間も乗ると後半は飽きてきてメールばかりしていた。
 宇奈月温泉に着き、早速風呂に入る。ちょっと高級なホテルの風呂に入った。なんと入浴料1000円だったが、超広いお風呂を独占できたので満足した。
 その夜、黒部の香川君のお宅に泊めていただいた。いろいろお世話になりました。

9月30日(木) 曇
起床 7:00
出発 10:20
JR黒部駅 11:15
富山駅 11:45
富山空港 14:35
福岡空港 16:00
福岡天神 17:00
鹿児島中央駅 20:45
 台風が猛烈なスピードで富山を通り過ぎたが雨風とも全然すごくなく拍子抜けする。香川君は用事があるらしいので、10時ごろまで部屋でゆっくりさせてもらう。JR富山駅を目指して歩く。結構早く着いた。JRの列車に乗り込むと81歳の元気なおじさんに話しかけられた。「剣に登ったの?すごいっちゃー」と褒められた。富山県民の剱岳に対する評価はべらぼうに高いような気がする。富山駅に着くと何を血迷ったのかまたお好み焼き「ぼてやん」に行く。今度は豚玉大盛を完食する。富山名物「ますの寿司」をお土産に買って、富山駅を後にする。富山空港では香川君が見送りに来てくれた。ありがとう。飛行機は上空の気流が悪くひどく揺れたが予定より早く福岡空港に着いた。高速バスに乗り、鹿児島に帰る。何だかとても充実した山登りでした。

反省
  • 荷物の軽量化をもっと考えよう。昔のようにボッカ力がないので、グラム単位で重量を切り詰めよう。食料・燃料はほとんど余らなかったが、衣類は全く着なかったものが数点あった。
  • ザックカバーは必要。鹿児島大学山岳部はザックカバーを使わない。というよりザックカバーは軟弱な装備だと思っている。確かに沢登りの時は破けそうだし、ザックの内部を防水すれば持ち物は濡れない。しかし、縦走の場合はザックに染みた雨水も結構な重量になる。最終日はゴミ袋を3枚利用して即席ザックカバーを作ったが結構いい感じだった。
  • ビデオ・写真撮影の時間配分を考えて。どうしてもいい景色に出会うと撮りたくなるがこれだけ長い山行だと撮影の時間も馬鹿にならない。どういう写真、映像を撮りたいのか頭にもっとまとめて行けば効率よく撮影、山行ができたと思う。

(記:西村)

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富山空港

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立山の紅葉

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剱沢より剣岳

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前剱より
剱沢を望む

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剣岳山頂にて

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剱沢大雪渓の
土石流跡
(土が被った
場所だけ雪が
溶けずに残った)

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真砂沢ロッジ付近より
源治郎尾根を望む

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三ノ窓谷

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仙人山付近より
三ノ窓、チンネを
望む

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仙人山の紅葉

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水平歩道
志合谷付近

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